武道の叡智と人間学とを掛け合わせた「文武両道」の学びを目指す中心道。
その中心道の新潟支部であり、自分の人生を自由自在に生きられる人を増やす塾。
それが、「中心道 和光塾」です。
このブログでは、中心道新潟支部 和光塾のメールマガジンを抜粋・転載してお送りいたします。
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「Don’t think! Feel.」
この言葉は、皆さんもご存じでしょう。
ブルース・リーが映画『燃えよドラゴン』の中で発した有名なセリフです。
日本語に訳すならば「考えるな、感じろ」。
私たちはつい、何かあると「頭」で考えて答えを出そうとします。もちろん、考えることは大切。しかし、考えているだけでは到達できない領域がある。それを中心道では伝えています。
中心道 新潟支部 和光塾 塾長、加藤克己は物事を決める際に「考えて結論を出さない」と言います。
例えば、克己は師匠の一人であるエム・アイ・ディ ジャパンの三井社長から「チベットに行かないか」と誘われた際、その場で「ハイ、行きます」と即答したと言います。
ただの海外旅行ではなく、高度が3,500~5,500メートル。しかも、そこでチベット仏教の
修行をするという過酷な旅。加えて、当時は僧侶たちによる中国政府への抗議デモが起きた直後でもあったのです。
普通に、頭で考えると、こんなことやあんなことを考えるのではないか、と思います。
・えっ、チベットって行けるの?
・情報がないから不安だな・・・
・お金、いくら位かかるんだろう?
・スケジュール、合うかな・・・
・カミさんに、なんて言おう・・・?
しかし、克己は「行きます」と即答しました。
それは「行ったほうがいい」と直感的に思ったから。
「結論は、先に出てるんです」。克己は、こう話します。
「でも、感覚や勘をバカにはできません。それまでの状況や情報、あるいは自分が今まで経験してきたことが全て瞬時に結びついて『感覚』や『勘』となって表れてくるわけですから」
感覚や勘で、結論を出す。そして、その結論を信じる。
でてきた結論を信じた上で「なぜ、この結論か?」という分析をする。それが克己の思考法なのです。
しかし、そういう思考法ができるのは、克己が常に「情報収集」をしているからと言えます。
経営者仲間とのあいさつや、談笑。決して「なにか聞き出そう」ではなく、常にフラットな状態で、自分の感覚を信じて、話を聞く。そうすると、必要な情報が自ずと集まってくるのだと言います。
例えば、部下と面談をしている時。相手の「目の動き」や「動作」、あるいは発している「空気感」を察知して相手が何を考え、どう思っているのかを推測できたとしたら。
その上司はおそらく、その部署を上手くまとめていくことができるでしょう。
克己は、自分が部下と話をした時、相手が自分の話したことに「納得しているか、そうではないか」が
すぐに感じ取れる、と言います。
人は、思考やロジックだけで動く生き物ではありません。
いくら上司である克己の言うことが正しかったとしても、本人が納得して動かなければ、その結果は良いものにはなりにくい。本人にどれだけ納得してもらうか、言い換えれば、相手が「腑に落ちる」伝え方をするか。
自分が見聞きしたこと、感じたことと今までの経験や情報、あるいは今の業界動向などを統合することで「今、何をすべきか」の結論が出る。克己は、そう話すのです。
自分の感覚を研ぎ澄ますことができるのは「身体」のセンサーを磨いているから。身体感覚は、それほどに様々な情報を私たちに与えてくれるものです。
それを開くか、閉じるか。
市場環境の微細な変化や、目の前の人のちょっとした表情を瞬時に察知できるかどうか。それが
「優れたビジネスパーソン」になるか「ただの頭でっかち」になるかの大きな分かれ道になるのです。
自分の「感覚」を開き、それを信じ、使いこなせるようになること。そのためのトレーニングが
中心道 人間塾でお伝えしている「宇宙体操」であり、「武術」の稽古でもあると言えます。
自分の身体感覚を磨いて、相手の気持ちや状況を察知する。そして、自分の知識や経験と統合して、
相手が納得できる言葉や行動に移す。
中心道 武術は、言わば「コミュニケーション武道」。
こういった察知能力や意識のやり取りを稽古を通じて磨いていくのです。
武術の稽古を積んでいくたびに、相手の心中を察知する力が高まる。そして、相手が「腑に落ちる」
言葉を伝えられるようになるはずです。
それでは、今回はここまで。また、お会いしましょう。