和光塾ブログ vol.45「二宿五飯」の恩義

武道の叡智と人間学とを掛け合わせた「文武両道」の学びを目指す中心道。

その中心道の新潟支部であり、自分の人生を自由自在に生きられる人を増やす塾。

それが、「中心道 和光塾」です。

このブログでは、中心道新潟支部 和光塾のメールマガジンを抜粋・転載してお送りいたします。

メルマガは2週間に1回程度配信されます。
逃さずに読みたい! という方は、ぜひメールマガジンの登録をよろしくお願いいたします。

こんにちは。

中心道 新潟支部 和光塾 塾長の加藤克己です。

皆さんは、初対面の方の家に二泊、いや、一泊でも泊めてもらったという経験をしたことがあるでしょうか。

ほとんどの方は、ないんじゃないかな。

「二泊三日、誰かの家に泊まること。以上」

これは私が若かりし頃、営業のスキルアップや人材育成を行う「タヤマ学校」の研修で出された指令です。この指令の下に、知り合いも何もいない箱根の地にいきなり放り出されたのです。

友だちの家や、親戚の家ならまだしも見ず知らずの方に「初めまして、今晩泊めてもらえますか?」ってなかなか出てこないオファーですよね。

そういう研修です。むちゃくちゃじゃないですか。

一軒一軒当たって、断られて。

「一泊ならいいけど・・・」って親切な方がいても「いや、二泊なんです・・・」と今度はこちらがお断りしたりして。

どうして、これが「研修」なのか。

実はこれ「自分を売る」ことなんです。

あ、別に自分の腎臓を売るとか、角膜を売るとか。そういう物騒な話ではなくて、ですよ。

「コイツなら、家に泊めて、メシを食わせてやっても良いか」と相手に思ってもらえるかどうか。初対面の方に、そう思ってもらえたということは「自分」という商品が売れた、とも言い換えられるわけです。

よく、営業の極意で「自分を売る」と言うじゃないですか。これこそ、まさに究極の「自分を売る」経験ですよね。

こちらには何か「売り物」があるわけでもないし、先方は自分を泊めたところで何のメリットがあるわけでもない。

商品力だとか、メリットだとか相手の得になることを売り込んで買ってもらうのではなくて、シンプルに「自分という人間と一緒にいてもらう」。

その経験をしてみると、心の底から「ありがたいな」という気持ちがグッと湧いてくるわけですよ。

ちなみに、その当時は150軒くらいお願いに回ったんじゃないかな。

ヘトヘトにもなったし、心が折れそうになる瞬間もありました。

100軒を超えたあたりから、もう、何もかもヤメて帰ろうかなと真剣に思ってました(苦笑)。

でも、わたしはおかげさまで、旅館の女中さんの子どもを預かる家で無事に二泊させていただきました。

こういうことを経験すると「生きる」とは、つまるところ「ご縁のつながり」なのだな、と思い知らされるわけですよ。

多少は家の仕事を手伝ったりはしますが、こちらから泊めてもらったお礼が何かできるかといえば、何もありません。つまり、泊めてくださった方の「おかげさま」でしかないわけです。

そういう恩義というか、情けに触れると、どれだけ「他力」が大切かがわかる。

もちろん「オレがやってやる」的な我を通す時期も、あってもいいでしょう。

でも、長続きはしません。

自力だけで進もうとすればするほど、自分だけでガンバることになり、限界も早く訪れます。

しかも、関心が自分にしか向かないから「感謝」も生まれないでしょう。

「一宿一飯の恩義」と言いますが、私の場合はこの研修のおかげで「二宿五飯」くらいの恩義をいただくことができたわけです。

逆の立場なら、あなたは見ず知らずの人を自分の家に泊めて、五回もご飯を食べさせてあげられるでしょうか?

そういう経験をさせていただくことで「ご縁のありがたさ」を痛感できた。

「感謝」が感じられない人は、知らない人の家に泊めてもらうチャレンジ、やってみるといいと思いますよ。

本当にたくさんのことを体感できますから。

それでは、今回はここまで。
また、お会いしましょう。

和光塾ブログTOPへ

PAGE TOP